◆■■第23回 試し書きするときのコツってなに? [万年筆の基礎知識]

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 今再び、現代人の心をとらえ始めている「万年筆」の神秘と奥深さにせまる
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 ■■ なぜ人は、万年筆に魅了されるのか ■■
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こんばんは、吉尾武訓です。

のっぴきならない用事で、配信が遅くなってしまいました。


ビスコンティの「ホモ・サピエンス」

年内入荷は無理そうです。


くわしくは編集後記で。


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 ■■ セーラー万年筆 ペンクリニック・インク工房 開催情報(随時更新)
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 ■ ペンクリニック


日程 : 2010年10月30日(土)~31日(日)

時間 : 午前10:00~午後5:00

(休憩 午後1:00~2:00、最終日 午前10:00~午後4:00)

場所 : 高島屋 高崎店 (群馬県 高崎市)

 ペンドクター : 川口 明弘氏

お問い合わせ : TEL 027-330-3962


 ■ その他のペンクリニック・インク工房の日程を見てみる。
 
 ⇒ http://www.sailor.co.jp/NEWS/event/index.html


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 テーマ : 万年筆の基礎知識
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 ◆■■第23回 試し書きするときのコツってなに?
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■それでは今日の内容です。



たいていの販売店は、

万年筆の試し書きをしたいと申し出ると、

その万年筆のペン先にボトルのインクをつけて書く

いわゆる「つけペン」の状態で手渡されます。


そして同時に

筆記具メーカーのロゴが入った試筆紙を出して

「どうぞ~」という感じで、試し書きをうながします。



実は、この一連の動作には

メーカーおよび販売員の

巧妙な「しかけ」が含まれています。


その「しかけ」を知らないあなたは

試し書きをして、その万年筆の書きやすさに驚き、

購入を決意するでしょう。


そして家に帰って、

実際に購入した万年筆を試してみると、


「・・・あれ? お店ではもっと書きやすかったのに・・・」


と思ってしまいます。



このようなミスマッチは、

あらかじめ、売り手側の「しかけ」を把握しておけば、

防ぐことができます。


今回はその「しかけ」についてお話します。



ではいきます↓



まず1つめの「しかけ」は、

試し書きの万年筆が、

「つけペン」の状態で渡されるということです。


もちろん試し書きするたびに

いちいち首軸にカートリッジインクを差して

インクを通すわけにもいかないので、

「つけペン」で渡されること自体は仕方ありません。


問題は、ペン先とペン芯に

かなり余分にインクが付着しているということです。


この状態で試し書きすると、

そりゃ書き味が良いように感じますよ。

インクがヌラヌラ出てきます。


ただこれは、実際に首軸からインクを通した状態とは

大きく異なります。

それで、家に帰って「あれ?」と思うわけですね。


これを防ぐためには、

あらかじめ販売員さんに断ってから、

ティッシュなどをあてて、

ペン芯の余分なインクを軽く吸い取りましょう。


そうすると書き味が、

実際にインクを通した状態に近くなります。

これでインクフローを正しく判断できますね。



セーラー万年筆のペン職人の長原幸夫先生いわく、


「ただボトルインクにつけただけなら、割り箸でも書けますよ。」


だそうです。



2つめの「しかけ」は、

販売員が用意してくる試し書き用の紙は、

筆記具メーカーや代理店が用意した、

かなり上質な紙であるという点です。


これらの用紙(試筆紙)は、メーカーや代理店に

「無くなったのでください。」と言えば

すぐに送って来ます。


上質な紙を使っているので

そんなに安いものでもないはずなのに、

「欲しい」と言えば、いくらでも送ってきます。



それはなぜでしょうか?



答えは簡単です。



全ては、お客様に試し書きで「書きやすい」と感じてもらい、

万年筆を買ってもらうためです。



ただ、あなたがふだん万年筆を使う用紙は

常に上質な紙とは限りません。


普通のノートやメモ帳かもしれません。

コピー用紙かもしれません。

ダイアリーや手帳かもしれません。


そうするとここでも、

お店と自宅での書き味のギャップが生まれます。


これを防ぐためには、

万年筆を買いにいくときは、

いつも使っているノートやメモ帳などを持って行きましょう。


そして店頭で、その用紙に

心ゆくまで試し書きをします。


そうすることで、その万年筆の書き味のみならず、

用紙との「相性」も確認することができます。



パイロットコーポレーションのペンドクター・広沢諄一先生は、

ペンクリニックのときに、

わざとキメの粗い試筆紙を用意されます。


「それでも書きやすければ、どんな紙でも書きやすいですよ。」


だそうです。



以上が、万年筆販売員がそれとなーく実践してくる

2つの「しかけ」とその「対処法」です。


万年筆は一生モノですから

ぜひ、正しい方法で試し書きをして、

曇りなき目(手?)で、

自分に合った書きやすい万年筆を見極めてください。



それでは今日はこの辺で、

いつかあなたが、最高の一本に出会えますように・・・。



■■ 編集後記


今回の万年筆に限らず、

世の中にはモノを買ってもらうための「しかけ」が

たくさんあります。


テレビCMや、駅前の広告や、新聞広告など、

普通に生活しているだけで、

かなり多くの物を売る「しかけ」に出会うことができます。


これらから逃れることは今の世の中では不可能です。


ですからせめて、

そういったものに流されずに

しっかりと自分の意思で判断するために、

常に、売り手の「向こう側」を意識するようにしましょう。


まぁ、あまり勘繰りすぎて

販売員との間に壁をつくりすぎるのもいけませんけどね。

ほどほどに・・・



■メルマガやサイトで何回かご紹介した

ビスコンティの「ホモサピエンス」。


エトナ火山の溶岩を使用した新シリーズですが、

発売日が延びに延びております。


なんでも代理店のDKSHジャパンとの交渉が長引いており、

年内の入荷も難しいそうです。


「とりあえず今うかがっているご予約は、

キャンセルすることをオススメしてください。」

みたいなメールも届きました。

もはや国内で発売するかどうかも微妙ですね。


そんな状態ですので、

もしこのメルマガやサイトを見て、

心待ちにされている方がいらっしゃったら

ご了承ください。



それではまた日曜日に。



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 今号も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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 ■■ なぜ人は、万年筆に魅了されるのか ■■

 発行人 : 吉尾武訓(よしおたけのり)



 モットーは「一番重要なことに集中する」「素直に行動する」
  
      
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