◆■第4回■ 万年筆を、育てましょう! [万年筆の基礎知識]

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 万年筆の書き心地は十分体験していただきましたでしょうか?

 今回のテーマは、万年筆における最大の醍醐味のひとつ、

 「万年筆を、育てましょう!」です!


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         第4回 万年筆を、育てましょう!
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 さぁ、いきなり吉尾のオッサンがわけの分からないことを言い出しました。

 

 万年筆を、「育てる」・・・??

 生き物でもないのに「育てる」ってどういうこと??



 いや、何も毎日ご飯をあげてお散歩させてとか

 そういうことではないですよ!? 笑



 何が言いたいかというと、

 万年筆というのは、書いて、書いて、書きまくっているうちに、
 
 持ち主の『書きグセを覚えていく』という特徴を持っている

 ということです。


 
 まだちょっと分かりづらいと思うので、詳しくご説明しますね。 



 人にはそれぞれ、「筆記するときのクセ(書きグセ)」というものがあります。
 
 たとえば、文字を書くとき、

 ペンを寝かせて書く人もいれば、立てて書く人もいるでしょう。

 紙に対して垂直に当てて書く人もいれば、

 どちらかに傾いている人もいるでしょう。

 筆圧の弱めの人もいれば、強めの人もいるでしょう。

 それが「書きグセ」です。 



 その「書きグセ」によって、

 ペンの「先端の部分」が紙に当たってこすれる部分は、人それぞれ違います。

 
 (ちなみに、このペンの先端の玉の部分を『ペンポイント』といいます)



 一般にペンポイントの部分には、「イリジウム」という

 ものすごく硬~い金属が溶接してあるのですが、

 その硬~い金属だって、何度も何度も筆記するうちに

 いくらかは磨り減ってきます。



 そして、いつも筆記するときに紙に当たる部分が

 こすれて磨かれていくわけですから、

 当然、表面がツルツルになって、

 ペンの「すべり」が良くなります。


 
 その結果、書き心地がドンドン良くなっていきます。

 

 これが、万年筆が持ち主の「書きグセを覚える」ということ。

 ひいては、万年筆を「育てる」ということです!


  
 たとえば、何十年も同じ万年筆を使い続けているような方の

 万年筆をお借りして、

 倍率12倍くらいのルーペで見させていただくと、
 
 たいてい、そのペンポイントは、

 左右どちらかが極端に磨り減っていたり、

 紙に当たる部分だけピカピカに磨かれていたりしています。

 
 その方の長年のご使用によって、かなり形が変わっているわけです。


 
 ちなみに、こうした万年筆をお借りして、

 持ち主以外の方が筆記しても、

 おそらくそれほど「書きやすいな~!」とは思わないでしょう。

 

 ですが、所有者にとっては、書きやすいことこの上ありません。

 それは、その方の書きグセに、ペンが慣れてしまっているからです。


 
 まさしく『自分専用』の万年筆になってしまっているというわけです!


 
 この「ペン先が育つ」という感覚を一度体験すると、

 もうその万年筆が愛しくなって、
 
 ボールペンなどに浮気(?)したくなくなってしまいます。



 そして万年筆は、そんなあなたの信頼に応えるように、

 どんどん書きやすくなっていくでしょう。



 このようにして、万年筆はあなたの一生のパートナーになっていきます。



 ですから是非、万年筆を大事に育ててあげてください。

 

 それでは今日はこの辺で。

 いつかあなたが、最高の一本に出会えますように・・・

  

 ■■ 編集後記 ■■



 万年筆販売員というお仕事柄、

 修理のお取次ぎなどの際などに、

 お客様の愛用の万年筆を拝見させていただく機会が結構あります。



 そんなお客様の中には、
 
 もう何十年も前のシリーズの万年筆を

 今でも使い続けていらっしゃる方がいらっしゃいます。


 
 「もう古くなったし、新しいのにしてもええんやけどねぇ・・・」

 なんていうお話をされたりしながら、

 問題が起こっては修理を繰り返して、

 何十年も同じ万年筆を使い続けます。



 当然ペン先も、カナリ年季が入った、

 その方専用のペン先に育ちきっています。



 そんな万年筆とのかかわり方を見るたびに私は、

 「まさにこれが、万年筆との最高の付き合い方だな。」

 と感じます。


 
 今の世の中、お金を出せば、万年筆はいくらでも買えます。

 

 毎年発売される万年筆の中には、

 デザインが洗練された万年筆や、

 希少な素材を使用した万年筆などもたくさんございます。



 万年筆コレクターとして、

 珍しい、かっこいい万年筆をたくさんお持ちの方もいらっしゃいます。



 でも、たとえいくらお金を払っても、

 愛用の万年筆と過ごす「時間」は決して買うことはできません。



 私はこの、「時間を共有できる」というのが

 万年筆の最大の魅力だと思います。


 
 お使いいただくごとに、

 持ち主との歴史が増え、その方にとっての価値がどんどん上がってきます。



 ですから私は、何十万円もする高価な万年筆よりも、

 何十年も持ち主のために働き続けた万年筆の方が、

 どうしても「かっこいいなぁ」と思ってしまいます。



 もちろん価値観は人それぞれですので、

 一概には言えませんけどね。

 私はいつもそう思って、

 お客様のご愛用の万年筆を日々、お預かりしています。



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   今号も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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     発行人: 吉尾 武訓 (よしオッサン)


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