◆■■第21回 長刀(なぎなた)研ぎってなに? [万年筆の基礎知識]

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こんにちは、吉尾武訓です。


万年筆と会話してみましょう。


くわしくは編集後記で。


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 ■■ セーラー万年筆 ペンクリニック・インク工房 開催情報(随時更新)
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 ■ ペンクリニック


日程 : 2010年10月22日(金)~23日(土)

時間 : 午前10:00~午後6:00(最終日は~午後5:00)

場所 : 丸善 名古屋栄店 (愛知県 名古屋市)

 ペンドクター : 川口 明弘氏

お問い合わせ : TEL 052-261-2251


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 テーマ : 万年筆の基礎知識
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 ◆■■第21回 長刀(なぎなた)研ぎってなに?
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■それでは今日の内容です。


今回は、前々回の最後にチラッと触れた

セーラー万年筆の「長刀(なぎなた)研ぎ」についてお話します。


あまりディープなお話が続くのもどうかと思ったので

前回のパイロットの特殊ペン先のお話と

セットでご紹介しようかと思ったんですが、

この「長刀研ぎ」に関しては

1回丸まる使ってお話しないと

とてもお伝えしきれないと思いました。


これから年賀状の準備に入る方もいらっしゃると思いますので、

ぜひご参考になさってください。



ではいきます↓



「長刀研ぎ」は、セーラー万年筆の創業当時から続く

伝統のあるペン先の研ぎ方です。


ちなみに長刀とは、

平安時代に登場した武具の一種で、

刃先が広く反り返った刀剣の一種です。


研いだ形が、この長刀と似ているため

「長刀研ぎ」と名づけられました。


欧文用に丸く研がれた舶来のペン先と違い、

長刀のように細く長く研ぎ出されており、

これにより、日本のかなや漢字特有の

「とめ」「はね」「はらい」をとてもきれいに書くことができます。


毛筆文化を背景に発展・進化してきた日本製のペン先の

原点ともいえるペン先です。



この長刀研ぎは

長い修行期間と経験を積み、高い技術をもった職人でしか

つくることができません。

このため、便利でメンテナンスの不要なボールペンが主流となった

1960年代に1度、表舞台から姿を消しました。


それから30年ほど

「万年筆は時代遅れ」という認識が日本人の中に広まりましたが、

そんな中でも、万年筆の書き味を求めるユーザーのために

ひたすら長刀研ぎの技術を守り続けてきた人がいました。


その方の名は、「長原宣義」さん。

2007年に厚生労働省から「現代の名工」を授与された

ペン職人の第一人者です。


その長原宣義先生によって

長刀研ぎはもう一度日の目を見ます。


1990年には、定番モデルに加えられ、

誰でも手軽に手に入れ、使用できるペン先になりました。


また現在では「長刀研ぎ」をつくれる職人も

セーラー万年筆の中で着実に育ちつつあります。


万年筆を愛用している方にとって、

1本は手に入れたい万年筆です。



では、実際の使用感はどうでしょう?


長刀研ぎは、

中細字(NMF)、中字(NM)、太字(NB)と用意されていますが、

それぞれの通常の線幅と比べてかなり太いです。

だいたい1か2段階くらい太めの線になります。


ですから若干、用途がしぼられます。

サインとか、お手紙とか、宛名書きなどに使う方が多いです。


ですが、もしこの万年筆がハマれば、

これほど万年筆の楽しさを味合わせてくれる万年筆は

世界中探してもないと思います。


普通の丸いペン先で書いたサインと比べると

長刀研ぎの方が、書いた文字の「存在感」が違います。

文字に凛とした表情が生まれます。


ですから、万年筆をある程度使い慣れて、

ちょっと太めの線幅のものがほしいな~と思われている方には

かなりオススメです。


ぜひ、販売店で実際に試し書きをしてみてください。

私のオススメは、長刀の中字(NM)です。



それでは今日はこの辺で、

いつかあなたが、最高の一本に出会えますように・・・。



■■ 編集後記


今回の長刀研ぎ万年筆、

正直、万年筆使い始めのころは

あまり理解できませんでした。


「あ~、なんか普通のペン先とは違う・・・かな~?」

くらいの認識でしたが、

その後、ある程度万年筆の扱いに慣れてきたころに

試し書きしてみたら、


「これっっ・・・、イイ!!」


という感じになりました。


ですから、昔の私のように

筆圧をかけたり、ペンを立てたりと、

ボールペンと変わらない書きグセをまだお持ちの方には

あまりその差が分からないと思います。


個人的には、長刀研ぎと他のペン先の差が分かって初めて、

「万年筆を愛用してます」と言えるかなーと

心ひそかに思っています。


「万年筆と会話する」という言葉が合うと思います。


そのペンが一番書きやすい様にペンを進ませる。

余分な力を抜いて、

ペンが一番輝ける書き方に自分を合わせる。


そういうことができる方に

万年筆は最高の書き味で応えてくれます。


最初からそれを目指す必要はありませんが、

万年筆ともっと深く付き合いたいと思っている方は、

ぜひ意識してみてください。


万年筆の本当の魅力が分かり始めます。



それではまた日曜日に。



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 今号も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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 発行人 : 吉尾武訓(よしおたけのり)



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