◆■第8回■ どんなインクを選べばいいの? [万年筆の基礎知識]
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万年筆と「正しく・楽しく・自分らしく」付き合うためのメールマガジン!
読み終わった瞬間から万年筆を語りたくなるオモシロ&お役立ち情報満載!
■■ 書くを楽しむ!万年筆販売員 吉尾武訓の万年筆のススメ ■■
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■ メルマガ発行人 吉尾武訓のプロフィール
⇒ http://ameblo.jp/yoshi-ossan/entry-10618962846.html
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こんにちは、吉尾 武訓です。
前回、インクの方式についてお話しました。
今回のテーマは、「どんなインクを選べばいいの?」です。
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■■ 万年筆の基礎のキソ篇 ■■
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第8回 どんなインクを選べばいいの?
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インク選びは、万年筆ならではの醍醐味です。
現在、そのバリエーションはとても豊富で、
170色を超えるインクが販売されています。
もしかしたら、その魅力は万年筆以上かもしれません。
その中から、自分のお気に入りのインクを選ぶわけです。
とても楽しい作業ですが、
いざ選ぶとなると、膨大な選択肢に「あ然」としてしまうでしょう。
もちろんすぐに全てを理解する必要はありません。
インク自体も¥400~2,000の世界ですし、
予算の許す範囲でいろいろ試してみて、
その中で、もっとも自分に合ったものを探せばいいと思います。
ですから今回は、インクを選ぶ上での大前提となる知識。
全く用途の違う「2種類のインク」の特徴について
お話します。
多くの人は、この2種類のインクが
まったく異なるものであることもご存知ありません。
ですが仮に、この2つの違いを知らずに使用すると、
大切な万年筆を傷める原因にもなります。
逆にこの違いを知れば、
万年筆の活躍の場が飛躍的に増え、楽しさが倍増します。
前置きが長くなりましたね。
それでは、いきます。
■現在販売されている万年筆インクは、
大きく分けて、2つの種類があります。
「染料インク」と「顔料インク」です。
◆「染料インク」について
現在販売されているインクの、約95%が
この「染料インク」です。
まず「染料インク」は、
水に溶けるという性質をもっており、
万年筆にとっては、すごくやさしいです。
万年筆は、キャップを開けっ放しにしたり
1~2ヶ月筆記しないと、ペン先のインクが乾いて詰まってしまい、
筆記できなくなってしまいますが、
染料のインクだと、ある程度のつまりは水に流れます。
お色も非常に多彩で、
世界中のメーカーから、何百色と言う「染料インク」が出ています。
選択する幅は、ものすごく広いです。
またメーカーによっては、
ご自分でのブレンドを楽しめるものもあります。
アメリカの「プライベートリザーブ」などは
「ミキシングキット」という、
インクブレンド用のツールを販売しています。
これによって、ユーザー独自のインクのブレンドを楽しめます。
また、国内メーカーのセーラー万年筆には、
石丸治さんという「インクブレンダー」の方がいらっしゃいます。
この方は、全国の販売店を回って、
オリジナルのインクをブレンドしてくれるイベントを開催しています。
そのときに使われるインクが、
セーラーが開発したのやさしいインク「ジェントルインク」です。
ただ、この「染料インク」は、
「耐水性・耐光性」がありません。
よって、水にぬらすとにじんで読めなくなりますし、
日光などに当て続けると、色あせていきます。
したがって、
文書の「保存」などにはあまり向かないインクといえます。
◆「顔料インク」について
「顔料インク」というインクが、数年前から
国内メーカーによって販売されています。
プラチナ万年筆の、「カーボンインク」「ピグメントインク」、
セーラー万年筆の「極黒(きわぐろ)」「青墨(せいぼく)」
などがそうです。
「顔料インク」は、「染料インク」と逆で、
耐水性・耐光性に優れています。
ですから、履歴書などの公文書や、
長期間保存する書類に筆記するのに適しています。
また、はがきに書くときにも大活躍します。
もし郵便配達員さんが配達中に雨にぬらしてしまっても平気です。
ちゃんと読めます。
(これがもし染料インクだと、たいていエライコトになります)
ですから、年賀状を書く時期などによく売れます。
また、万年筆で絵を描かれる方は(万年筆画といいます)
「染料インク」で描かれた絵を額に入れて飾ると、
徐々にあせて、消えていきます。
ですが、顔料インクなら、末永く持ちます。
ただ、耐水性があるということは、
裏を返せば、一度インク詰まりを起こしてしまうと
ちょっとメンドクサイことになるということです。
もともと「顔料」は水に溶けません。
万年筆用の顔料インクは、その粒子をナノレベルに細か~くすることで
万年筆にも使えるようにしているわけです。
ですから、「顔料インク」を使う場合、
「染料インク」とくらべて、
メンテナンスには気を配っていただく必要があります。
(万年筆のメンテナンスに関しては、次回お伝えしますね)
この点、私は店頭で、しっかりご説明しています。
ですが、何も伝えず販売する店員さんが多いですので、注意が必要です。
あと、お色のバリエーションも、まだまだ少ないです。
顔料インクで色を楽しめるようになるのは、まだもう少し先のようです。
■以上が、「染料インク」「顔料インク」の違いです。
この2種類の、どちらがいいということはありません。
あえて言うなら、
『お色』で選ぶなら「染料インク」
『機能』で選ぶなら「顔料インク」
というところでしょうか。
まずはご自分で文具店に行って、いろいろ試してみてください。
くわしい店員さんにお話を伺うのもいいと思います。
それでは今日はこの辺で、
いつかあなたが、最高の一本に出会えますように・・・。
■■編集後記
◆今回は、「染料インク」と「顔料インク」という、
大きく分けて2種類のインクについてご説明しました。
ちなみにメーカーは、ブランド純正のインクを使うことを
奨めていますが、
きちんとメンテナンスをすれば、
自分の万年筆と違うメーカーのインクを使用したところで、
99%、問題は起こりません。
大事なのは、メンテナンスです!
そこで、次回からはいよいよ、
万年筆を楽しむ上で避けては通れない、
「万年筆のメンテナンス」についてお話しします。
この「基礎のキソ篇」も、いよいよ大詰めです。
ここまで、説明的な文章が多くなっていますが、
ご安心ください。
次回もおそらく、超説明的です。
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今号も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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発行人: 吉尾 武訓
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モットーは「重要なことに集中する」「素直に行動する」
「魂を込める」「コツコツを積み重ねる」です。
■ このメルマガでは、
万年筆と「正しく・楽しく・自分らしく」付き合うための情報を
お伝えしています。
■ ある程度記事がたまったら、
記事をまとめて、ウェブサイト上で公開しようと思いますので、
今しばらくお待ちください。
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■■ 編集後記の後記 (よしオッサンのひとり言)
◆ある程度このメルマガの記事がたまってきたので、
ウェブサイト上で、
これまでの知識をご紹介する準備を進めています。
これからどんどん、
発行したメルマガの内容をまとめていきますので
是非、楽しみにしていてください。
現在販売されている、万年筆に関する本より
ずっと体系的で詳しいサイトにしていきたいと思います。
などと、遅筆な自分にムチをいれるために、
自らハードルを上げておきます。
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前回、インクの方式についてお話しました。
今回のテーマは、「どんなインクを選べばいいの?」です。
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第8回 どんなインクを選べばいいの?
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インク選びは、万年筆ならではの醍醐味です。
現在、そのバリエーションはとても豊富で、
170色を超えるインクが販売されています。
もしかしたら、その魅力は万年筆以上かもしれません。
その中から、自分のお気に入りのインクを選ぶわけです。
とても楽しい作業ですが、
いざ選ぶとなると、膨大な選択肢に「あ然」としてしまうでしょう。
もちろんすぐに全てを理解する必要はありません。
インク自体も¥400~2,000の世界ですし、
予算の許す範囲でいろいろ試してみて、
その中で、もっとも自分に合ったものを探せばいいと思います。
ですから今回は、インクを選ぶ上での大前提となる知識。
全く用途の違う「2種類のインク」の特徴について
お話します。
多くの人は、この2種類のインクが
まったく異なるものであることもご存知ありません。
ですが仮に、この2つの違いを知らずに使用すると、
大切な万年筆を傷める原因にもなります。
逆にこの違いを知れば、
万年筆の活躍の場が飛躍的に増え、楽しさが倍増します。
前置きが長くなりましたね。
それでは、いきます。
■現在販売されている万年筆インクは、
大きく分けて、2つの種類があります。
「染料インク」と「顔料インク」です。
◆「染料インク」について
現在販売されているインクの、約95%が
この「染料インク」です。
まず「染料インク」は、
水に溶けるという性質をもっており、
万年筆にとっては、すごくやさしいです。
万年筆は、キャップを開けっ放しにしたり
1~2ヶ月筆記しないと、ペン先のインクが乾いて詰まってしまい、
筆記できなくなってしまいますが、
染料のインクだと、ある程度のつまりは水に流れます。
お色も非常に多彩で、
世界中のメーカーから、何百色と言う「染料インク」が出ています。
選択する幅は、ものすごく広いです。
またメーカーによっては、
ご自分でのブレンドを楽しめるものもあります。
アメリカの「プライベートリザーブ」などは
「ミキシングキット」という、
インクブレンド用のツールを販売しています。
これによって、ユーザー独自のインクのブレンドを楽しめます。
また、国内メーカーのセーラー万年筆には、
石丸治さんという「インクブレンダー」の方がいらっしゃいます。
この方は、全国の販売店を回って、
オリジナルのインクをブレンドしてくれるイベントを開催しています。
そのときに使われるインクが、
セーラーが開発したのやさしいインク「ジェントルインク」です。
ただ、この「染料インク」は、
「耐水性・耐光性」がありません。
よって、水にぬらすとにじんで読めなくなりますし、
日光などに当て続けると、色あせていきます。
したがって、
文書の「保存」などにはあまり向かないインクといえます。
◆「顔料インク」について
「顔料インク」というインクが、数年前から
国内メーカーによって販売されています。
プラチナ万年筆の、「カーボンインク」「ピグメントインク」、
セーラー万年筆の「極黒(きわぐろ)」「青墨(せいぼく)」
などがそうです。
「顔料インク」は、「染料インク」と逆で、
耐水性・耐光性に優れています。
ですから、履歴書などの公文書や、
長期間保存する書類に筆記するのに適しています。
また、はがきに書くときにも大活躍します。
もし郵便配達員さんが配達中に雨にぬらしてしまっても平気です。
ちゃんと読めます。
(これがもし染料インクだと、たいていエライコトになります)
ですから、年賀状を書く時期などによく売れます。
また、万年筆で絵を描かれる方は(万年筆画といいます)
「染料インク」で描かれた絵を額に入れて飾ると、
徐々にあせて、消えていきます。
ですが、顔料インクなら、末永く持ちます。
ただ、耐水性があるということは、
裏を返せば、一度インク詰まりを起こしてしまうと
ちょっとメンドクサイことになるということです。
もともと「顔料」は水に溶けません。
万年筆用の顔料インクは、その粒子をナノレベルに細か~くすることで
万年筆にも使えるようにしているわけです。
ですから、「顔料インク」を使う場合、
「染料インク」とくらべて、
メンテナンスには気を配っていただく必要があります。
(万年筆のメンテナンスに関しては、次回お伝えしますね)
この点、私は店頭で、しっかりご説明しています。
ですが、何も伝えず販売する店員さんが多いですので、注意が必要です。
あと、お色のバリエーションも、まだまだ少ないです。
顔料インクで色を楽しめるようになるのは、まだもう少し先のようです。
■以上が、「染料インク」「顔料インク」の違いです。
この2種類の、どちらがいいということはありません。
あえて言うなら、
『お色』で選ぶなら「染料インク」
『機能』で選ぶなら「顔料インク」
というところでしょうか。
まずはご自分で文具店に行って、いろいろ試してみてください。
くわしい店員さんにお話を伺うのもいいと思います。
それでは今日はこの辺で、
いつかあなたが、最高の一本に出会えますように・・・。
■■編集後記
◆今回は、「染料インク」と「顔料インク」という、
大きく分けて2種類のインクについてご説明しました。
ちなみにメーカーは、ブランド純正のインクを使うことを
奨めていますが、
きちんとメンテナンスをすれば、
自分の万年筆と違うメーカーのインクを使用したところで、
99%、問題は起こりません。
大事なのは、メンテナンスです!
そこで、次回からはいよいよ、
万年筆を楽しむ上で避けては通れない、
「万年筆のメンテナンス」についてお話しします。
この「基礎のキソ篇」も、いよいよ大詰めです。
ここまで、説明的な文章が多くなっていますが、
ご安心ください。
次回もおそらく、超説明的です。
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今号も最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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発行人: 吉尾 武訓
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モットーは「重要なことに集中する」「素直に行動する」
「魂を込める」「コツコツを積み重ねる」です。
■ このメルマガでは、
万年筆と「正しく・楽しく・自分らしく」付き合うための情報を
お伝えしています。
■ ある程度記事がたまったら、
記事をまとめて、ウェブサイト上で公開しようと思いますので、
今しばらくお待ちください。
■ ご意見・ご感想はコチラから
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(スパム防止のため、★を@にかえてください)
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■■ 編集後記の後記 (よしオッサンのひとり言)
◆ある程度このメルマガの記事がたまってきたので、
ウェブサイト上で、
これまでの知識をご紹介する準備を進めています。
これからどんどん、
発行したメルマガの内容をまとめていきますので
是非、楽しみにしていてください。
現在販売されている、万年筆に関する本より
ずっと体系的で詳しいサイトにしていきたいと思います。
などと、遅筆な自分にムチをいれるために、
自らハードルを上げておきます。
2010-09-05 00:00